令和5年6月定例会はしぐち海平一般質問の全文書き起こし:その3

こんにちは。はしぐち海平です。お時間空いてしまい申し訳ありません。前回の投稿に続き、6月の熊本県議会定例会において行った一般質問の各質問を書き起こしています。皆様にご覧いただけますと幸いです。

前回、前々回の内容はこちらから

目次

消費者行政の推進について

はしぐち海平 質問

消費者行政の推進について質問します。今定例会に「地方消費者行政に対する財政支援(交付金等)の継続・拡充を求める意見書」の提出を求める請願が提出されております。この請願は毎年「熊本県弁護士会」及び「適格消費者団体NPO法人消費者支援ネットくまもと」から提出されており、自民党の藤川議員、池田議員、今年は副議長なのでなっておりませんが、内野副議長とともに、私も紹介議員となっており、国に対して意見書も毎年提出していただいております。この様に自民党でも窓口になって、これまでも地方消費者行政について対応してきましたが、これからもしっかりと取り組んでいく必要があります。この様なことから、今回消費者行政の推進について取り上げさせていただきます。

消費生活課に設置してある消費生活センターでは、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付け、公正な立場で処理にあたっています。本県では、熊本県消費生活センターの他、14市すべてに消費生活センターを設置、31町村すべてに消費生活相談窓口を設置しております。県消費生活センターは、消費生活相談員13人体制で行っており、市では消費生活相談員による週4日以上の相談体制、29町村で消費生活相談員による相談対応を実施しております。県の消費生活センターへの相談は平成28年の7,508件を最高に、令和4年度は4,840件相談が寄せられております。推移を見てみますと、減少傾向にあります。また令和4年度の被害額は約8億4千万円のところ、専門の消費生活相談員によるあっせんにより、約1億3千万円の被害を回復しております。専門の消費生活相談員が親身になって、相談にのり、頑張っておられるから、これだけの金額が回復しているのではないかと思い、心より敬意を表します。わたくしも、ネットショッピングをして騙された、との相談があった際、消費生活センターに電話して相談するようお伝えしたところ、被害額はすべて返ってきたと、喜びの声を聞いた覚えがあります。

相談は、多いものから、「商品一般」、次に「役務その他」・これは保険請求サポート等ですが、災害があった後に増加するものと思います。また定期購入によるトラブルが多い「化粧品」、「健康食品」、こういったものが上位を占めております。相談者は男性より女性が多い傾向にもあります。また高齢化もあり、60歳以上の高齢者からの相談割合が高い傾向にあります。しかしながら、10代、20代の相談もあり、ゲームや出会い系サイト、動画の架空請求や、マルチビジネスなどの相談が多いそうです。もちろん高齢者の相談が一番多いわけですが、若い方たちも気を付けなければなりません。

そして国の消費者白書によると、消費者トラブルに遭った人のうち、消費生活センター等へ相談する人の割合は約3.2%との調査結果があります。ということは、トラブルにあったほとんどの人は、消費生活センターのような専門の相談員がいるところに、相談していないということです。その様なことを考えたら、消費生活センターを多くの人に周知してもらい、もっと多くの人が相談することで、回復される被害がもっと増えるのではないかと思います。またそれだけ相談する人が増えるのならば、専門の消費生活相談員がもっと必要になるのではないでしょうか。

熊本県内の消費生活相談員の年齢別内訳を表したグラフで、現在の消費生活相談員の年齢構成は、30代が5%、40代が13%、50代が27%、60代が44%、70代が11%となっております。60代と70代を合わせると55%となります。

熊本県内の消費生活相談員の経験年数を表したグラフで、経験年数を見ても10年未満が46%、10年以上が54%となります。この結果を見ると、相談員の高齢化が顕著で、今後を心配しております。

そこで質問です。県民にもっと相談してもらい、被害を回復するために、県としてどのような取組を行うのか。また、専門の消費生活相談員を継続して確保していくため、どのように取り組むのか、環境生活部長にお尋ねします。

環境生活部長 答弁

まず、相談を増やし、被害回復を図るための取組についてお答えします。 消費者被害に遭われた方からの相談を増やし、被害を回復するためには、議員御指摘のとおり、解決のための助言や事業者との間に立って調整を行うあっせんにより、消費者被害の回復に取り組んでいる消費生活センター等のことを、まずは県民に認知していただくことが重要です。そのため、県では、地元紙と連携した消費生活に関する記事の定期掲載や出前講座を行うとともに、関係機関と連携した特別相談会を開催するなど、消費生活センター等の周知啓発を行っています。

また、今定例会には、テレビコマーシャルやソーシャルメディアを活用したターゲティング広告など、高齢者から若年層までの幅広い年代に対する周知啓発を行うための予算を提案しており、消費生活センター等のさらなる周知に努めることとしています。

次に、専門の消費生活相談員の継続確保の取組についてお答えします。消費生活相談員は、消費者安全法により、関係法令、相談実務等に関する資格試験の合格者もしくは同等以上の専門知識及び技術を有する専門職とされています。このことに加え、消費生活全般に関する幅広い相談対応をすることから、経験も必要となります。議員御指摘のとおり、相談員の高齢化が進んでおり、次世代を担う人材の育成が必要だと考えています。今定例会に、消費生活相談支援サポーター育成のための予算を提案していますが、サポーターには、それぞれの地域において、消費者被害に遭われた方を早期に発見し、市町村の消費生活センター等につなぐ役割を期待しております。

これらの取組を通じて、消費者問題に意欲を持って活動する人材を発掘し、実際に活動もしていただくことにより、次世代の消費生活相談員の確保につなげたいと考えています。県としては、国や市町村等と連携し、消費生活相談体制の維持、充実を図るとともに、弁護士会や適格消費者団体等の関係機関とも協力しながら、県民の消費生活の安定及び向上を図ってまいります。

家庭でのゼロカーボンの取組について

はしぐち海平 質問

家庭でのゼロカーボンの取組について質問します。本県では令和元年に「2050年熊本県内Co2排出実質ゼロ」を宣言し、それに向けて取り組んでいるところです。2020年度の県全体でのエネルギー使用量は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛等により、2013年度以降最小となっております。しかしながら、温室効果ガス排出量については、2019・2020年度ともに前年度比で増加しております。これは、電力会社の発電時のCo2排出割合が、原子力発電所の停止等により、増加したためだそうです。そしてまた新型コロナウイルスでの自粛等が終わった今、エネルギーの使用量もコロナ前位まで戻るのではないかと危惧します。

2020年度の部門別、温室効果ガス排出量のうち、家庭部門が17.7%となっており、これから一人ひとりの、取組も重要になってくるのではないかと思います。特に、コロナ禍で、家庭部門の排出量が増加している中、省エネ家電の推進をはじめとした家庭での取組みを推進していく必要があると思います。例えば岐阜県では「ぎふ省エネ家電購入応援キャンペーン」という取組を進めており、長期的なエネルギー価格高騰を踏まえ、省エネ性能の高い家電の購入を支援し、電気料金の負担軽減や、省エネルギーの促進を目的としてするものです。このような取組は、省エネ製品を買い替える「きっかけ」となります。本県でも、家庭でのゼロカーボンの推進には、県民の行動を促すきっかけが必要になるのではないかと思います。県では、「くまもとゼロカーボン行動ブック」を作成されていて、非常にわかりやすくできていますが、今後、どのようにして県民の行動につなげるかが課題だと感じています。

そこで質問です。エネルギーが高騰するなか、省エネルギーを促進する取組など、家庭でもゼロカーボン社会に向けて、さらに取り組んでいく必要があると思いますが、県では何をきっかけに、今後どのように取り組んでいくのか、環境生活部長にお尋ねします。

環境生活部長 答弁

2020年度の家庭部門における温室効果ガスの排出量は、コロナ禍で在宅時間が伸びた影響もあり、前年度に比べ約1割増加しています。このようなときこそ、議員御指摘のとおり、県民一人一人にCO2削減につながる行動を取っていただけるよう、そのきっかけとなる具体的な情報を提供し、県全体に浸透させる必要があると考えています。そこで、県では、議員御紹介のとおり、36の具体的な行動とCO2の削減効果、経済的なメリットを見える化したくまもとゼロカーボン行動ブックを作成し、普及啓発や環境教育を推進しています。

昨年度は、企業、団体等への講演に加え、肥後っ子教室で環境センターを訪れた約1万7,000人の小学5年生の教材としても活用し、次世代を担う子供たちへの啓発も進めました。本年度は、36の行動のうち、特に2つの項目について、重点的に啓発に取り組みます。

1つは、ゼロカーボンと節水につながる行動です。例えば、シャワーを1分間短くすると、1年で1人当たりガソリン換算で12リットル分のCO2削減につながります。これは、経済的には1人当たり年間4,300円の光熱費等の削減になるだけでなく、年間4.4トンの節水となります。これは、水道使用量の5%程度の削減となり、地下水の取水量についても、県全体で500万トン程度、熊本地域全体で400万トン以上削減できる計算となり、ゼロカーボンの推進と地下水の保全につながります。

もう一つは、住まいのゼロカーボン化、特に既存住宅の高断熱化のため、断熱リフォームの促進に取り組みます。令和2年度に県が実施したアンケートでは、地球温暖化対策として、省エネ家電や製品の購入には6割強の県民の方々が取り組んでいるとの結果でしたが、断熱効率のいい家づくりには約2割しか取組が進んでいないことが明らかとなりました。断熱リフォームは、窓などの一部の実施でもCO2削減効果が高く、国の支援も拡充されています。そこで、断熱効果が高い工法、費用や効果等を分かりやすく整理し、県民に断熱リフォームを促すきっかけにしたいと考えています。

このように、県としては、県民の意識の転換に向けた情報提供等の取組を着実に進め、県民の具体的かつ自発的な行動につなげることができるよう、しっかりと取り組んでまいります。

NTT西日本桜町ビルの今後について

最後にNTT西日本桜町ビルの今後について要望いたします。このビルは皆さんご存じの通り、桜町にあり、サクラマチクマモトや花畑広場など、再開発が進んでおります。このビルも、当初の予定ではNTT西日本も2024年度に複合商業ビルを開業する計画がありましたが、コロナの影響もあり計画を再検討しております。

話は変わりますが、熊本県庁は1967年に現在の水前寺に移転してきました。それまでは、先ほど申し上げた、NTT西日本桜町ビルも含めた、桜町に熊本県庁がありました。その当時、この桜町地域は公共性が高い地域たっだのではないかと思います。このNTTビルもこの場所に移動するまでは、現在の熊本市役所の場所にあったそうです。この様にNTTビルも元々は電電公社のビルとして、今以上に公共性が高い建物ではなかったのかと思います。その様な事から、NTT西日本桜町ビル跡には公共性が高い施設が必要と思いますので、地域的、歴史的背景を考慮して、県からも協議や働きかけを行うなどの取組をお願いしたいと思います。
(要望のため、答弁なし)

一般質問の書き起こしはこれにて終了です!

前回に引き続き、6月定例会一般質問の一部を、書き起こししていきました。今後も、県政のことについて少しずつお伝えできればと思っています。

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