令和5年度熊本県当初予算解説(後編)
こんにちは。はしぐち海平です。前回に引き続き、令和5年度の熊本県当初予算の概要について簡単に解説をしていきます。後半では事業者様向けに国・県で実施されている融資・補助金制度についてリンクと共にまとめていますのでご覧ください。
新型コロナウイルス感染症関連予算 令和5年当初予算 1,025億円
熊本県民のみなさまの生命を守るための、ワクチン接種・医療提供体制の確保のために動いていきます。
1.検査等体制の整備 75億円
- PCR検査機器などを整備する医療機関などを支援
- 県が実施する行政機関の一部委託、医療機関が実施する保険適用検査(自己負担分)の助成、感染に不安を感じる県民の無料PCR等の検査などにより、検査体制を整備
2.感染拡大に対応する保健所の体制確保 34億円
- 自宅療養者への症状悪化時の相談対応、自己検査による陽性者登録を行う療養支援センター等によるフォローアップ体制を整備
- その他、保健所業務支援を行う人材の確保、検体や患者搬送のための体制を整備
3.医療提供体制の強化 487億円
【病床の確保】
県内の医療機関のご協力により、令和5年1月末時点で病床数は1,000床以上を確保
【宿泊療養】
軽症者などに適切な療養環境を提供するため宿泊療養施設を、令和5年1月末時点で約1,200室確保
その他、入院受入医療機関が行う設備整備支援や、医療機関の感染対策への支援を実施
ワクチン接種の推進 44億円
専門的相談窓口や大規模接種会場の設置・運営により、市町村が進めるワクチン接種を支援
将来に向けた熊本の地方創生を推進 令和5年当初予算 199億円
- 市町村が取り組む子ども医療費助成に対する県の補助対象年齢を拡充し、県全体の子ども・子育て施策を充実
- 「熊本県新広域道路交通計画」に位置づけた新たな高規格道路の実現に向けた検討を実施
コロナ禍、原油価格・物価高騰から県民の皆様の生活を守ります
《事業者向け》資金繰りにお悩みの皆様へ
【県】金融円滑化特別資金(コロナ分)
コロナの影響により売り上げが減少した事業者への資金繰り支援。貸付期間は運転資金及び設備資金で1〜10年、据え置き期間は最大1年
【県】新型コロナウイルス経営改善資金
国の「伴走支援型特別保証制度 」、「経営改善サポート保証感染症対応型」を活用したゼロゼロ融資の 借換需要と、前向きな取組みに対する資金需要への支援として実施。
※国の低利・無担保 融資、資本性劣後ローン等は、令和5年3月末まで。その後は未定です。
《事業者向け》ウィズコロナの中、生産性向上に取り組む皆様へ
【国】ものづくり・商業・サービス補助金(生産性革命推進事業)
革新的製品・サービスの開発又は生産プロセス等の改善に必要な設備投資等を支援。補助上限は最大5,000万円(補助率2/3等)
【国】小規模事業者持続化補助金(生産性革命推進事業)
小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等を支援。補助上限は最大200万円(補助率 2/3)さらに、インボイス特例として、上限額に一律50万円上乗せして、最大250万円に。
【国】IT導入補助金(生産性革命推進事業)
ITツール 、PC・タブレット、レジ等の導入を支援。補助上限は最大450万円(補助率3/4など)さらに、インボイス特例として、ITツール導入経費の下限がなしに。
【国】事業承継・引継ぎ補助金(生産性革命推進事業)
事業承継・ 引継ぎ後の新たな取組みに対する設備投資等への支援を実施。補助上限は最大800万円(補助率2/3等)
【県】中小企業DX推進事業補助金
物価高騰等の影響を受ける中小企業のデジタル化に係る機器整備を支援。補助上限は最大500万円(補助率2/3)
【県】くまもと型小規模事業者経営発展支援事業
被災事業者の経営革新計画等に基づく生産性向上等の取組みの経費を支援。補助上限は最大200万円(補助率2/3)
《事業者向け》コロナ禍などの影響を受け、事業再生等に取り組む皆様へ
【国】事業再構築補助金
コロナ禍、物価高騰等の環境変化の中、事業再構築の取組みに係る経費を支援。申請類型等により補助上限は500万円~5億円(補助率3/4等)
【県】中小企業者事業再生等支援事業
国の制度を活用し、事業再生等に向けた計画を策定する経費の一部を支援。補助上限は最大20万円(補助率は自己負担分の1/2)
【県】リボーン企業創出支援事業
再起業や承継する際に必要な機械装置費や外注費等への支援。補助上限は最大150万円(補助率2/3)
【県】事業承継マッチング応援事業
商工団体が市町村と共同して実施するオープンネームでの取組みの経費を支援。補助上限は最大100万円(補助率10/10)
【県】まちなかにぎわい回復支援事業
まちなかのにぎわい回復に向けた商店街組織等の取組みを支援。補助上限は最大200万円/1回(予算の範囲内で複数回可能)(補助率3/4)
【県】商店街多様化推進事業
多様性のある商店街に進化させていく取組みに要する経費の一部を支援。補助上限は最大400万円(補助率3/4)
【県】新型コロナ対策雇用維持・確保支援事業
人手不足に悩む県内中小企業に対して無料で専門家を派遣。令和6年4月までに1人以上の正社員採用を予定している企業が対象。
《生活者向け》各種支援について
- コロナ特例貸付の対象者等へ継続的なフォローアップを支援
- 物価高騰の影響により苦しい状況が続く低所得の子育て世帯に対し、県独自で1世帯当たり2万円(第2子以降がいる場合、児童1人当たり5千円を追加)
令和5年度熊本県予算解説(後半)のまとめ
令和5年度熊本県予算について、「コロナ対策」「地方創生」「コロナ・原油高・物価高対策(事業者向け・生活者向け)」についてまとめています。
月定例会が終わりました。熊本地震から 7 年が過ぎようとしている今、復興期として「TSMCの進出」や「交通渋滞解消のための高規格道路の計画」など、県内でも明るい話が多くなっています。2月定例会では、県政史上最大の当初予算が組まれました。そこで、今回《前編》《後編》の2回に分けて、その概略を皆様にお伝えすべく、まとめさせていただきました。これからの県政の動きを知る一助になれば幸いです。
熊本にとってチャンスである今を大切にするためにも、より熊本のために頑張らなければとさらに気合いが入っております。今後ともご指導ご支援のほど、よろしくお願いいたします。